村上春樹の番号

村上春樹の新作長編『街とその不確かな壁』を読んでいたら、主人公の一人が秘密の金庫について話すとき、その暗証番号が491だと打ち明けたので、もうもうびっくり仰天しました!

俺と同じではないか! 何なんだこの一致は!?

491というのは、昔、私が中学生のころ、『491』というスウェーデン映画が公開されて、この題名の由来は、キリスト教では人間は7の70倍まで罪を許されるという教えがあり、この映画はそれを上回るほどの非行を重ねる少年たちを描いたものだからといいます。

当時すっかり映画少年(と性的人間)になっていた私は、この解説記事を映画雑誌で読んでキョーレツな印象を受けました。

いったいキリストの戒めを破るほどの非行とはどんなものなのか、60年代、海の向こう、性の解放が進む北欧では同世代がそんな(主に性的な)悪事を働いているなんて、いったい何なんだ・・・、と頭をガンガンたたかれるような思いに、地方在住の中学生の私は揺さぶられたのですが、悲しいかな「18禁」の壁に阻まれて、映画を見ることは叶いませんでした。

という次第で、以来、私の脳裏に491という数字が深く刻み込まれてしまい、後に、カードなどの暗証番号(つまりはヒミツの番号)をそれにしてきたのです。

映画好きの村上春樹氏は私より2つ上だから同世代。きっと間違いなくこの北欧映画のことが頭にあるのでしょう。

いやあ敬愛する「世界のハルキ・ムラカミ」とこんなシンクロニシティができて、幸せだなあボカァ(と、ここは加山雄三。先般、朝日新聞で連載してましたね)。


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